今回は、SteelSeries『APEX PRO』の最新アプデで追加された「ラピッドトリガー」で反応速度を上げる方法についてご紹介します。
ラピッドトリガーとは、キーを離した地点がそのままリセットポイントに切り替わる機能で、従来のキーボードよりも素早い反応ができます。この機能は、Razerの『Huntsman V2 Analog』や『Huntsman Mini Analog』にも搭載されていますが、SteelSeriesの『APEX PRO』では、2023年8月に配信されたファームウェアアップデートで対応しました。
SteelSeries『APEX PRO』のラピッドトリガーの仕組みとメリット
ラピッドトリガーの仕組みを簡単に説明すると、以下のようになります。
- 通常のキーボードでは、キーを押すときに決まった位置(アクチュエーションポイント)で入力がオンになり、離すときに決まった位置(リセットポイント)で入力がオフになります。
- ラピッドトリガーでは、キーを押すときに入力がオンになる位置は変わりませんが、離すときに入力がオフになる位置はキーの戻り具合に応じて変化します。つまり、キーを少しでも戻せばすぐに入力がオフになります。
- また、ラピッドトリガーでは、入力がオフになる位置から再び入力がオンになる位置までの距離(ヒステリシス)を自由に設定できます。例えば、0.1mmに設定すれば、キーを0.1mmだけ戻してから0.1mmだけ押せば再び入力がオンになります。
ラピッドトリガーのメリットは、以下のようになります。
- キーを連打する際に必要な移動距離が短くなるため、より高速で反応することができます。
- キーを離した瞬間から次の入力が可能になるため、より正確でタイミングの良い操作ができます。
- キーの感度を自分好みに調整することができるため、より快適な打鍵感覚を得ることができます。
ラピッドトリガーは、特にFPSやリズムゲームなど、反応速度やタイミングが重要なジャンルで有利に働くと言われています²。実際にプロゲーマーやストリーマーの中でも使っている人が増えており 、「チート級」と評されるほどの効果を発揮しています。
SteelSeries『APEX PRO』のラピッドトリガーの設定方法と注意点
ラピッドトリガーを使うには、まずSteelSeries『APEX PRO』のファームウェアを最新版にアップデートする必要があります。アップデートは、SteelSeriesの公式サイトからダウンロードできるSteelSeries Engine GGというソフトウェアを使って行います。SteelSeries Engine GGは、『APEX PRO』以外にもSteelSeriesの製品をカスタマイズするための便利なツールです。
注意:ラピッドトリガーとアクチュエーション0.1mmを使うにはversion「45.0.0」にする必要がありますので、お間違えなく
アップデートが完了したら、SteelSeries Engine 3を起動し、『APEX PRO』の設定画面に移動します。そこで、キーボードのレイアウトが表示されるので、ラピッドトリガーを有効にしたいキーを選択します。選択したキーに対して、以下の項目を設定できます。
- アクチュエーションポイント:キーを押すときに入力がオンになる位置を0.1mmから3.8mmまで0.1mm刻みで調整できます。低いほど感度が高くなります。
- ラピッドトリガー:キーを離すときに入力がオフになる位置をキーの戻り具合に応じて変化させるかどうかをオン・オフで切り替えられます。
これらの設定は、キーごとに個別に行うことができます。例えば、WASDキーだけラピッドトリガーを有効にして、他のキーは通常モードにするといったことが可能です。また、設定した内容はプロファイルとして保存しておくことができます。プロファイルは、ゲームやアプリケーションごとに自動的に切り替えることもできます。
ラピッドトリガーを設定する際の注意点は、以下のようになります。
- ラピッドトリガーは、『APEX PRO』のメカニカルスイッチ(赤軸)では使えません。オムロン製のハイブリッドスイッチ(青軸)のみ対応しています。
- ラピッドトリガーは、Windows 10以降のOSでしか動作しません。MacやLinuxでは使えません。
- ラピッドトリガーは、一部のゲームやアプリケーションでは正常に機能しない場合があります。特に、キーボード入力をエミュレートするようなマクロやスクリプトなどは注意が必要です。
- ラピッドトリガーは、感度や連打性能を高める反面、誤入力や疲労感も増やす可能性があります。自分に合った設定を見つけるためには、試行錯誤が必要です。
ラピッドトリガー対応機種Apex pro とApex pro tkl、Apexprominiの比較
SteelSeriesのゲーミングキーボード「Apex pro」シリーズは、高速で正確なキーストロークを実現する「OmniPoint 2.0 Adjustable HyperMagnetic Switches」を搭載した最先端のキーボードです。このシリーズには、フルサイズの「Apex pro」、テンキーレスの「Apex pro tkl」、60%のミニサイズの「Apexpromini」の3種類がありますが、それぞれにどんな違いがあるのでしょうか?
Apex pro
「Apex pro」は、フルサイズのゲーミングキーボードです。テンキーとマクロキーが付いており、機能性や操作性に優れています。また、有機ELスマートディスプレイを搭載しており、設定の変更や通知の表示などができます¹。
メリット
- テンキーとマクロキーがあるため、ゲーム以外にも仕事や勉強などにも便利です。
- 有機ELスマートディスプレイがあるため、キーボードだけで設定や通知を確認できます。
- キーストロークの作動ポイントを0.1mm単位で調整できるため、自分好みのタッチ感にカスタマイズできます。
デメリット
- サイズが大きく重いため、持ち運びやデスクスペースに不便です。
- ケーブルが太く硬いため、取り回しが悪いです。
- リストレストが付属していません。
Apex pro tkl
「Apex pro tkl」は、テンキーレスのゲーミングキーボードです。テンキーがなくコンパクトなサイズになっており、マウスとの距離を短くできます。また、「Apex pro」と同様に有機ELスマートディスプレイを搭載しております²。
メリット
- サイズが小さく軽いため、持ち運びやデスクスペースに便利です。
- ケーブルが細く着脱式になっており、取り回しが良いです。
- マグネット式のリストレストが付属しており、快適なタイピングができます。
デメリット
- テンキーがないため、数字入力や計算などに不便です。
Apexpromini
「Apexpromini」は、60%のミニサイズのゲーミングキーボードです。テンキーだけでなく矢印キーやファンクションキーも省略されており、最小限のキー数になっています。また、「Apex pro」と「Apex pro tkl」とは異なり、有機ELスマートディスプレイは搭載していません³。
メリット
- サイズが非常に小さく軽いため、持ち運びやデスクスペースに最適です。
- ケーブルが細く着脱式になっており、取り回しが良いです。
デメリット
- テンキーや矢印キーなどのキーがない
- 有機ELスマートディスプレイがないため、設定や通知を確認するには専用のソフトウェアが必要です。
- リストレストが付属していません。
SteelSeries『APEX PRO』 ラピッドトリガーの実践例と感想
ラピッドトリガーを設定した後は、実際にゲームやアプリケーションで試してみることが大切です。ここでは、私が実際にApexで使ってみた感想を項目ごとに話していきます。
ではまず、横移動「AキーとDキーの入力の速さ」について話します。FPSでは敵を撃ちながら銃弾を 避ける技術「レレレ撃ち」が重要になってくる場合があります。特にApexのような横移動の早いゲームでは顕著です。他にも横移動は撃った後遮蔽に隠れる速さにも影響してきます。
今回のアップデートで実装されたアクチュエーションポイント0.1mmとラピッドトリガーを使ってみると、結構使用感が変わって横移動の切り返しが早くなりました。
小さい段差でのスーパーグライドの成功率も格段に上がりました。自分はBキーにしゃがみ、spaceにジャンプを割り当てて同時押しすることでできるのですが、成功させるにはフレーム単位で入力しなければなりません。
そういったプレイをするには入力遅延のなさはとても大きく関わってきますので、0.1mmで反応するかつラピッドトリガーのあるApexproは、小さな段差においても瞬時に入力できるのでとてもやりやすいです。
以上のように、ラピッドトリガーは様々な用途で活用できる機能です。しかし、一方で、ラピッドトリガーは万能ではありません。人によって好みや適性が異なりますし、設定や環境によっても影響が変わります。また、ラピッドトリガーはまだ新しい技術なので、不具合や互換性の問題も発生する可能性があります。
そこで、最後にお伝えしたいことは、ラピッドトリガーを使う際には自分自身で試してみることが重要だということです。SteelSeries『APEX PRO』は高価なキーボードですが 、ラピッドトリガーを体験する価値は十分にあると思います。もし興味があれば、ぜひチャレンジしてみてください。
SteelSeries『APEX PRO』のまとめ
この記事では、SteelSeries『APEX PRO』の最新アプデで追加された「ラピッドトリガー」で反応速度を上げる方法についてご紹介しました。
ラピッドトリガーは、キーを離した地点がそのままリセットポイントに切り替わる機能で、従来のキーボードよりも素早い反応ができます。ラピッドトリガーの仕組みやメリット、設定方法や注意点、実践例や感想などを詳しく解説しました。
ラピッドトリガーは、ゲームやアプリケーションによって効果が異なりますし、人によって好みや適性も異なります。ですから、ラピッドトリガーを使う際には自分自身で試してみることが重要です。もし興味があれば、ぜひチャレンジしてみてください。
それでは、今回はこの辺で失礼します。最後までお読みいただきありがとうございました。またお会いしましょう!
APEX PROに関する他の記事は↓